08育関係の事業をやっていたので、ぜひそれに関わることができたら楽しいだろうなという思いがありました。ちょうどその時、大南さんからグリーンバレーの事務局長の後任を探しているという話を聞いて、引き受けることにしました。私が、事務局長に就任して、丸7年になろうとしているわけです。「神山まるごと高専」のことも少しお話しいただけますか? 「神山にある学校ってどんな学校なんだろう」ということを考えていく中で、最初のイメージは、いい意味でも悪い意味でも、田舎らしいこじんまりと、でも特色のあるものをということで考え始めました。でも、2019年に神山町役場で記者会見を開き、大きく事業の発表をしてから、どんどん加速して、規模が大きくなっていきましたね。関わる人達も、本当に第一線で働いてらっしゃる起業家の方、全国から多ジャンルの面白い先生が集まってくれて。めちゃくちゃ贅沢な講師陣ですよね。だから子どもよりも自分たち大人のほうが入学したいと関わっている人はみんな思っているんじゃないかな。当初のイメージとは全くスケールも違いますし、想像もしていなかった本当にすごいものができあがったなという印象です。竹内事務局長は前職でも人材育成に携わっておられますが、それ以前も、主に社会人を養成されてきたのでしょうか? 私はこれまでコーチングをしていたので、基本的には企業経営者など、どちらかというと人材育成に悩んでらっしゃる方が対象でした。部下やプロジェクトメンバーの育成におけるコミュニケーションの取り方などの研修を行っていました。それから神戸時代はフリースクールの教員もしていたので、小学校高学年から中学生の、思春期真っ只中の子どもたちの担任のようなこともしていましたが、どちらもおもしろいですよね。子どもたちは変な価値観に凝り固まっていないので、成長が素直に見えて分かりやすい。一方で、それなりの歳の方は■講義日:2022年12月3日? ■講義タイトル:神山プロジェクトまず講義を行った際の受講者の印象など、率直なご感想をお願いします。 積極的に手を挙げて、たくさん質問してくださったので、非常に熱心だなと感じましたし、うれしかったですね。神山プロジェクトの話は、視察などに来られた際にもよくさせてもらうのですが、2通りの反応が返ってきます。「それは神山の独自の世界で、絶対に真似できるわけがない」と半分諦めモードになる人と、「自分たちが取り組んできたことは間違っていなかったんだ」と、非常にポジティブにとらえている人。今回は後者のほうだったかなと思います。みなさんが自分事として、「自分だったら実践の場でどうしよう」と考えてくれていたのではないかなと思っていました。今回の講義で、竹内事務局長が一番力点を置かれたところ、あるいは「ここは聞いてほしい」と思われたことはありますか? よくみなさんにお話しすることですが、やはり結局は「人」なんです。自分事と思って取り組めるか。仕事だからとか、やらないといけないという気持ちではなく、自分の町を良くしたい、好きだからなんとか脱出したいと、本当に自分事と思ってもらえるようになるのが一番だと思って、いつも話をしています。竹内さんがグリーンバレーの事務局長に就任された経緯を教えていただけますか? 本当にたまたまですね。地元は徳島県の阿波市なのですが、神戸で結構楽しく過ごしていたので田舎に帰るのは嫌だなと正直思っていました。けれども両親の介護で帰郷することになって、徳島市内に住んでいる妹が「神山に行ったら、なんかおもしろいことあるんちゃう?」って教えてくれたんです。それで神山を訪ねたら、グリーンバレーの前理事長(現理事)の大南さんたちの話を聞くことができて、ちょうど「神山まるごと高専」のプロジェクトが始まろうとしている頃でした。私も神戸で教外資系消費財メーカーの地域担当SEとして数々のITプロジェクトリーダーを歴任後、ネットベンチャーを起業、その後現職。新たに?神山まるごと高専?の実現に向けて奮闘中。認定NPO法人グリーンバレー講演者インタビュー事務局長 竹内 和啓
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