地域専門人材育成?リカレント教育支援センター 副センター長准教授正 本 英 紀46 今年度の?地域創生イノベーター育成プログラム」は、地域創生に貢献する新たな人材を創出したいという、若林社会連携推進機構長、羽藤地域協働センター西条センター長、治多地域専門人材育成?リカレント教育支援センター長の強い熱意と共に始めたリカレント教育です。その思いが実り、文部科学省「DX等成長分野を中心とした就職?転職支援のためのリカレント教育推進事業」に採択されました。本プログラムでは、私自身の前職での研修業務の経験や、東予地域での対話を基に、体系的なプログラムの構築をめざし、企画立案と運営支援を行いました。しかしながら、講演者折衝等、様々な課題が短い期間に押し寄せ、プログラム開講まで決して平坦な道のりではありませんでした。 そのような中、地域の新たな課題に対応するために、また、異なる技術やサービスの新結合を起こすイノベーターを育成するために、本プログラム内で、3つの工夫を行いました。まず1つ目に、講演者に「第一線で活躍する人材」を取り入れたことです。受講者のみなさんがイノベーターとして第一歩を踏み出す際に、自分の少し前を走る「先輩」からの助言となるような講義を直に聴くことができれば、勇気づけられるだろうとの思いを込めて、本学の教員に加え、学外から21名の講演者と1名のファシリテーターの皆様に講義をお願いすることとしました。2つ目に、多彩な講演者を揃えることで、同一のテーマであってもできるだけ、多面的に捉えることができるように工夫しました。何か1つでも、自分の琴線に触れる知識を持ち帰ってもらいたいという思いからです。3つ目は、イノベーターが企画を実行に移す際に障害となるであろう「チーム構築」を乗り切るための手法を学べる講義を取り入れたことです。「合意形成技術」の習得に力を注ぐため、経験者による講義、合意形成ツールの実体験やマイプロジェクトの作成など、イノベーターが将来困った際の手助けとなるようなアイテムを身につけてもらうことができるようにしました。また、本プログラムは、受講者への手厚いサポートも特徴です。愛媛労働局との密接な連携のもと、キャリアコンサルティングの実施や、オンライン学習サービスの活用、相談できるチューターの配置など、従来のリカレントプログラム教育とは異なる新しいサポートの手法を取り入れました。 本プログラムの今後の展望は、今回担当した多彩な外部講演者、事業実施委員会などのメンバー、受講者、そして本学教員との密接な連携を図る「地域デザインチーム(RDT)」の構築です。今後様々な知識や事業、サービスなどが交流できる場をつくっていく考えです。それにより、受講者が本プログラム修了後も引き続き本学との関わりをもち、アイデア創出や課題解決に活用していただけるようになると思います。本プログラムは企画段階での想定を超える受講者と成果をもたらしたと自負しておりますが、激動の時代に立ち向かう「地域イノベーション」の創出という点では、スタートラインにも立てていないというのが実状です。プログラムを深化させるとともに、講演者と修了者の学びを循環させていくことが大学の役目であり、取り組まなければならない課題と考えています。 最後になりましたが、本プログラムを実施するにあたりご協力くださいました全ての方へ厚くお礼申しあげます。プログラムを終えて
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